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少し前になりますが、「ふるさと納税の返礼品にゲームがあるらしいぞ!」という噂を聞きつけ、ゲーム好きな私は当然飛びつきました。それが今回レビューする、日本一ソフトウェアさんが手掛けた「MAD RAT DEAD」です。

記事執筆時点の2026年03月15日時点ではもうふるさと納税のラインナップには残念ながらないようですが、本ゲームをクリア&実績コンプリートをしましたので、レビューしていきたいと思います。

01. 概要:日本一ソフトウェア産_音ゲー×アクションの意欲作

まずこちらのゲームですが、2020年10月29日に日本一ソフトウェアさんから発売された、横スクロールアクションと音ゲーを組み合わせたタイトルです。

まだ私が学生頃、アクションゲーム=面白い。音ゲー=面白い。これらを組み合わせる=最強じゃね???という妄想をしていたことがあるのですが、実際にやってみたらどうなるか・・・十数年越しの妄想を検証できました。

私が知らないだけで、他にもアクションに音ゲー要素を組み合わせたゲームはたくさんあるかもしれませんが、これらを組み合わせると実際のゲームプレイがどうなっちゃうのか?ということも知れて、非常に興味深かったです。

執筆時点では、PS4版を除きSwitch版は既に購入できないようですので、基本は以下のリンク先から購入することになろうかと思います。

02. ストーリー:これ目的で買うモンではない

まぁ正直、ストーリー目当てに買うようなタイトルではないと思っていますが、軽く紹介だけ。

研究所で生まれ育った実験用ネズミの主人公マッドラットが、ケージの中で死んでいく間際、ネズミの神様から特別な能力と共に時間を巻き戻し「最期の1日」をやり直すチャンスを得る。マッドラットは満足して死ねるよう、自分の夢だった「自分を実験台にしていた人間に復讐すること」を叶えるため、自分の心臓である相棒のハートと冒険の旅に出る...というあらすじです。

遊び終わった感想としては、ちょっとダークな絵本を読んでいるような感覚でした。かと言って、取り扱っている題材や舞台が小さな子供向けかというとそうでもない。ところどころユーモアもあり、ストーリー自体はそれなりに興味を引くものになっています。

なぜ「絵本のような感覚」と表現したかというと、良くも悪くも印象に残るような意外性やメッセージ性がなく、このゲーム「ならでは」のポイントがあまり感じられなかったためです。

ストーリーのプレイ中、選択肢が出てきてどちらかによって内容が若干変化する場面はあるものの、あくまでも影響は些細で話がガラッと変化するわけではありません。マイナスポイントになるわけではないですが、振り返ると「選ばせる理由あったのこれ?」と感じました。

あと、ストーリーの根幹部分にちょっと説明不足感があるかなと。ある事象が原因で主人公のマッドラットは時間を巻き戻す能力を身に着けたわけですが、この原因についての描写はありません。「ゲームだから...」と言われると元も子もないのですが、想像を膨らませる要素が散りばめられているワケでもないので、ちょっと不完全燃焼です。

少し批判的になってしまいましたが、つまらなくはない。ですが無味無臭に近く、特別感情移入できるようなものではなかったと思います。ストーリーはおまけ程度に考えておいた方がよいかも。

03. 世界観/デザイン:秀逸!和ゲーって本当にいいもんですね

次にデザイン。正直このゲームを手に取った理由として第一に挙げたいくらい、デザインがポップでかわいい!!原色を使った鮮やかな色使いやカートゥーン調でありつつも、いい意味で日本っぽい親しみやすさを感じられるものに仕上がっています。将来その時が来ないと分かりませんが、このデザインなら十数年後に見ても古臭さを感じさせないんじゃないかな。

世界観も秀逸で、主人公の視界を通して「幻覚」という日本で暮らしている限り(普通は)体験できないであろう現象を垣間見ることができます。マンガなどでは結構ありふれたサイケデリックなイメージではありますが、先に述べた通りポップでかわいい感じが同居していて、「幻覚」という言葉から感じられる歪さや不気味さがあまり感じられないような見た目に仕上げられているところが非常に好印象です。

実際に幻覚を見たことがあるよ~という方は、このゲームで見られるものと実際に見たもの、どう違っているか是非私に教えてくださいね🤪

04. 音楽:世界観にマッチした色んなジャンルの曲が楽しめる

このゲームを語る上で外せないのが、やはりこの要素。小さい頃からゲーマーの私ですが、アーケードゲームのBEMANIシリーズをちょっとかじった程度の経験しかないので、音ゲー自体だいぶ久々のプレイでした。

私の音楽の趣味や今言ったBEMANIシリーズをプレイしていたこともあり、音ゲーといえばハードコアだろ!という派閥の人間でしたが、プレイ後は少し考えが変わりました。

ゲームが進むにつれてテンポが速くなったり変拍子が入ったりして難易度が上がっていくのが音ゲーの常。ですがこの作品では難易度上昇の一辺倒ではなくちょっとした休憩のようなステージ(曲)もあり、世界観やストーリーに目を向けるような工夫があります。他の音ゲーを批判するわけではないのですが、単に難易度の高いものをクリアすることだけが音ゲーの楽しみ方ではないと改めて気づかされました。

収録されている曲は多彩で、主人公のネズミくんにぴったりなアングラ感満載の路地裏を感じさせる曲はもちろん、お洒落なカフェで流れてそうな曲、私好みのゴリゴリハードな曲など、どなたがプレイしても必ずお気に入りの曲が見つかると思います。

どの曲も甲乙つけがたいですが、私が特に好きなのは、DYES IWASAKIさん,高須 和也さん,xakiさん,かめりあさんの曲ですかね。日本一さんの通販サイトでサントラの取り扱いもあるようですので、気になる方はまず公式Youtubeで聴いてみよう。そして余裕がある人は買おう!

それはそうと、筆者がまだ少年だった頃にBeatmaniaI IDXをプレイしていたわけですが、コンポーザーの中に「かめりあ」の文字を見つけたときは、めちゃくちゃテンション上がったよね。まるで昔仲が良かった友達と、ばったり街中で出会ったような感覚です。そんな経験ないけど。

05. システム:アクションと音ゲーのいいとこどり!なのだが...

概要でも言いましたが、本タイトルはアクションと音ゲーの組み合わせたタイトル。画面中央に配置されたハートマークにノーツがぴったり合うタイミングでボタンを押すと、ジャンプ・ダッシュ・タメ(溜め)・急降下のアクションができるというものです。使うボタンはこれら4つのアクションと、移動距離を微調整する十字ボタンだけですので、操作はかなりシンプルで前知識としては大変とっつきやすいです。

普通の横スクロールアクションでは、穴や敵がいればそのタイミングでジャンプしたり何かしらのアクションをするわけですが、このゲームはそう単純ではありません。曲に合わせてノーツが休みなく次々とやってくるので、本来ジャンプする必要がない場所や、アクションをせず待機しないと敵にぶつかってしまうようなタイミングでもノーツに釣られてついつい何かしらのアクションをしてしまい、余計なミスをしてしまう...なんてこともよくありました。単純なアクションゲームはもう飽きた!なんて人でも、このタイトルは結構新鮮な感覚でプレイできると思います。

そしてこの作品のよいところは、何といっても音楽に合わせて綺麗にプレイできたときの爽快感!これは普通のアクションゲームにはない快感ですね。ステージに設定されたテーマ曲をプレイする場合、曲の盛り上がりが来る部分にステージの派手な演出が噛み合う部分がよくあります(いわゆる音ハメってやつです)。こういったところをミスなくプレイできると、こりゃー爽快です🤩

あと重要なのが、穴に落ちたり敵にぶつかったりしたときのミス時。アクションゲームであれば、ミスするとチェックポイントから再開することになったりしますが、このゲームは音ゲー要素が組み合わさっているので、チェックポイントの概念はありません。ミスをすると、マッドラットが得た特殊能力で時間を巻き戻すという演出が入り、ミスした瞬間から一定時間前まで時間を巻き戻すことができます。これはストーリー設定とゲーム性をうまく組み合わせており、よい演出だと思いました。

一方で、気になる部分もちらほら。まず操作がシンプルなのは大変結構なのですが、紹介したようなジャンプ等のアクションを、キーコンフィグでL/R/ZL/ZRボタンへ割り当てることができません。切り替え先はA/B/X/Yの4つだけなので、プレイ中使う指が強制的に左右の親指に集中します。

その結果・・・親指がめっちゃ疲れる!!!アクションゲームの性質上、難易度に比例して操作判断が増えますし、これに音ゲー要素も加わるもんだから更に指が忙しくなります。なので人差し指や中指に負荷が割り振れるようになっていれば全然よかったのですが、残念ながらそれはできないってワケ。おっさんにはちょっと辛いよ・・・。

また上記で時間を巻き戻す演出がよいと述べましたが、残念だった部分もあり、それがこの巻き戻す演出の操作性です。ミスした後、プレイヤーの任意のタイミングまで遡ってやり直せるところまでは、アクションゲームのやり直し要素と、音ゲーのテンポの良さを両立する工夫としてよい落としどころだと思います。ただこの巻き戻す操作が結構面倒で、一度左ボタンを押しても一瞬だけしか時間が巻き戻らない。まとめて巻き戻す操作は存在しないので、やり直したいタイミングまで左ボタンを連打しなくちゃいけないのがダルい。かといって巻き戻す操作をサボると、死ぬ直前でゲームが再開しその直後にまた死んでしまうので、これでは意味がない。

一度の操作でもっと大きく時間を巻き戻すボタンを追加するか、左ボタン押しっぱなしで連続的に巻き戻す操作ができるするか、どっちかの機能はほしかった。特にまだ操作に慣れてない序盤は、ジャンプ/ダッシュ/急降下のボタンを押し間違えてミスになることもよくある。都合のいいところまで巻き戻してから再開できるという、折角の強みであるテンポの良さを削ぐ仕様になってしまっており、かなりもったいないと感じました。

06. プレイ量/やりこみ要素:長く遊べるかはプレイスタイル次第

音ゲー要素もあることから、やりこみは実質いくらでも可能です。ステージセレクトモード(各ステージを個別にプレイできるモード)では、個別ステージ毎に設定されているテーマ曲と自由曲にそれぞれベストスコアが記録されるようになっています。

コンボを切らないこと、タイムリミットの残りをできる限り多く残してゴールすることでスコアが伸びますので、ノーミス・ノーデス・最短経路に近づくほど理論値に近づきます。このルールが分かっていれば、ミスが多くても最高スコアランクのSが意外と簡単に取れるステージも多いです。

ただ、最後の数ステージは変拍子が入っていたり裏打ちのリズムに合わせたりと、音楽と言えば小学校のときに習ったリコーダーくらいしか経験のない私には中々骨が折れました。

クリアするだけなら早い人なら10時間くらいで済んじゃいますし、スコア詰めや実績(トロフィー)コンプリートを目指す人でも、攻略情報とか見ながらやれば30~40時間程度で出来ちゃうんじゃないかな?私みたいに、お金出したからには値段分しゃぶり尽くさないと気が済まん!!という貧乏性の方は、スコア詰めまでやるとかなり長い期間遊べると思います。ま、ふるさと納税でもらったゲームだから実質お金は出してないんですけどね🤣

あとこのゲーム、起動した直後に「ヘッドホンをするとより楽しめます」と表示されますが、個人的に表と裏、二つの理由があると思っています。表はもちろん、ヘッドホンを付けていい音でプレイすれば満足度がアップするから。04.音楽の項で述べたような、様々なコンポーザーの皆様が書き上げた珠玉の楽曲が高音質で楽しめるので、まともなヘッドホンなどが使える環境の人は使うことをお勧めします。

もう一方の裏の理由は、ヘッドホンを装着していないとゲーム音に余計な音が混じり、プレイの支障になるから。私がプレイした時は任天堂純正のプロコンを使っていましたが、ボタンを押し込んで離した瞬間の「カチャッ」という音がまぁ~~~気になる。

だったら普通の音ゲーでもボタンを押したときの音は気になるのでは?と思っちゃいそうですが、このゲームは「音に合わせて」というよりも「リズムに合わせて」の側面の方が強いです。特定のリズムでやってくるノーツに対してコントローラの操作音がほんの少し遅れて聞こえてくるので、目と耳でタイミングがずれてしまい段々感覚がバグってきます。

JOYコンとか他のコントローラですと多少マシになりますが、一度気になってしまうともう止まらないので、特にスコアを出したいときはヘッドホンを使った方がよいでしょう。まぁ、音ゲーやるときって普通はヘッドホンするもんなのかな?「ヘッドホンをするとより楽しめる」というより、もはや装着する前提で「当然ヘッドホンするよな???」という日本一さんからのアツいメッセージなのかも😅

07. 総評:正に「スルメゲー」

ここまで色々と述べてきましたが、万人にオススメできる作品ではないものの、やり込みを含めた総合的な面で見た場合はハマる人にはハマる。そんな作品だったと思います。

一方でクリア自体のボリュームは割と薄めなので、普段あまりゲームをしない/クリアしたら次のタイトルへ移っていきたいという層にとっては、真の面白さに気付く前に手放されてしまいそうな作品でもあるな、と感じました。

もし続編が出たとして、上記で述べたような点が改善されてたら購入したいですが...まぁ続編は出ないんだろうな。ストーリーもいい感じで終わっていますし、開発量的な意味もあります。

私はゲーム開発をやったことがないので真相は分かりませんが、アクションゲーム部分のステージに加えて専用のテーマ曲も制作しなければならないので、開発のカロリーは相当高いんだろうな...と勝手に想像しています。個人的にデザインが刺さったこともあり、応援はしたいが色々な意味で非常に惜しい。

最後になりますが、開発・関係者のみなさま、そして本記事をご覧いただいたみなさまに感謝を述べて終わりにしたいと思います。ありがとうございました!🙇